帷くんは秘め事が大好きらしい


失恋の傷がいえたらきっと、俺の中で素敵な初恋の思い出に変わるはずだよね?


チア衣装を一緒に考えた時間も。

くすぐったくなるくらい甘いセリフを言い合った、お芝居練習のことも。

俺の部屋で起きた、キス未遂事件も。

いつの日か、心のアルバムの1ページに刻めると信じてる。


死ぬまでに何度も見返すくらい、素敵な思い出として。

失恋の傷が癒えるまで、何年、何十年かかるかわからないけれど。





保健室。

カーテンで囲まれたベッドの横に立つ俺。

まどか先輩の頬に当てた手を、まだ離せないでいる。


時間を止める魔法、今すぐかけてくれないかな?

ホントダメだね、俺は。


まどか先輩を諦めるって、決めたはずなのに。

俺の手に伝わるまどか先輩の体温に、断ち切れない恋心が惑わされてしまう。