モデル。俳優。芸能人。
俺の肩書が、俺の恋の邪魔をする。
仕事は大好きだ。
子供の頃からの俺の居場所で、自分らしく輝けるかけがえのない空間。
だから芸能界にいる以上、俺は恋心を封印しなければいけない。
俺の恋人になる人は、必ず世間からバッシングを浴びる。
恋人と同じくらいの熱量で、俺に愛を注いでくれるファンがたくさんいるから。
俺のために雑誌を買って。
俺のためにドラマを見て。
俺をのために、時間とお金をこれでもかというほどつぎ込んで。
身を粉にして毎日働く理由は、『高瀬帷』を応援する資金作り。
ファンからの温かい応援は、嬉しくてたまらない。
一人一人と会って、手を握って、直接感謝を伝えたいくらい。
だからこそ俺は、彼女を作ったらいけない。
ファンを裏切らないために。
嫉妬から生まれる非難の矢から、好きな子を守るために。
俺に仕事をくれる全ての人の期待に、応えるためにも。



