ジオが笑えば笑うだけ、ステラの胸で軽快な恋々の音が鳴る。

暗殺をたくらむ花嫁ではなく彼に出会えたなら、きっとあっさり恋に落ちたはずだ。だがステラは恋の音を胸に封印する。


(私は恋なんてできる身じゃない……ただ自分のために、ジオ様を手にかけようとする極悪非道な女なんだから)


ステラのそんな切なさを知る由もないジオは指をパチンと鳴らして、鞄を出現させた。木陰に荷物を置いたジオは靴を脱いで、ズボンの裾を大胆にまくる。


「ステラ、湖入って遊ぼ!青々湖の周りは清浄だからマスクいらないよ」

「え、は、入るんですか?」

「入るために来たんだよ?!脱いで脱いで!」