泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─



ステラはジオだけを見つめて、控えめで、でも芯をもった声を届けた。


「私、ジオ様をいっぱい大事にします。いっぱい幸せにします」

「最高過ぎる」


ステラは想いを伝え足りなくて、ジオを不安にさせないように心がけようと決めていた。心の限りを誓いの言葉に乗せる。


「私がジオ様の本物の花嫁です!

ジオ様は誰にも譲りません!」


ステラが結婚式の誓いではじめで独占欲を口にしてくれて、ジオは腰砕けそうだった。


「可愛すぎるー!!もうみんなやっぱり見ないでー!」


ジオは頭がふらつくほど愛らしい花嫁の誓いに翻弄されて、ステラを観衆から隠したくてぎゅうと抱き締めた。