泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─



ジオはすっかり泣き顔可愛いと思うことに罪悪感などなく、可愛いと宣言してしまっている。

ベッドでも散々可愛い照れ涙を見せてくれる花嫁に、ジオの泣き顔好きは拍車をかけていた。


「では誓いのキッスして!」


立会人レオナルドのワクワク指示を受けて、ジオがステラのか細い手にそっと優しく触れる。


「俺を選んでくれてありがとう、ステラ」


ステラは涙が零れて止まらない顔をあげて、紫艶の瞳を見つめた。



夫婦となる二人が見つめ合ったその瞬間。

二人の胸に同時に恋々の音が鳴いた。