泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─



結婚式にて立会人を務めるレオナルドが張り切って声を上げる。


「では始めます!ってまだ何もしてないのにもう泣いてるステラ!」


レオナルドの指摘に、結婚式に参列している国民がみな笑った。

花嫁のステラを前にして、夫となるジオは嬉しそうに顔を緩めている。


「その涙、あまりにも可愛いんだけど」


真っ赤なドレスと花冠で着飾ったステラの青い瞳からは、早くもぼろぼろと大粒の涙が星屑のごとく零れ落ちていた。


(これは嬉しい感激の泣き顔!断然好みのやつ!)