泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─



カルラン様の翼を意図した赤色のドレスを纏ったステラの前に、少女のマリが花冠を持ってにこにこの笑顔を振りまいた。


「ステラちゃん!みんなで作ったのどうぞ!」

「ありがとうございます。マリちゃん!」


ステラはマリの前にしゃがみこんで頭を下げて、マリの手から花嫁の花冠を頭に飾ってもらった。

マリの小さな手がステラの頭をいい子いい子と撫でると、ステラは泣いてしまう。


「花嫁さん、とっても綺麗ね!私も大きくなったら花嫁さんになるんだ!」


花嫁への憧れが満ち満ちた笑顔のマリを、涙目のステラは何度も撫でた。