泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


ジオの高難度ミッションが始まった。ジオはパチンと指を鳴らす。

水面の上に盾魔法を張ったジオは、ステラと手を繋いだ。


「ステラ、俺は君を絶対に手放さない。

でも、俺はまだ諦めないよ。何とかしてカルラン様に願いを叶えてもらおう」


ステラを連れて、カンカン足音を鳴らして水面の上を歩く。


(私も……諦めない。諦めたくない)


ジオのまっすぐな思いに連れられて、ステラも諦めない強い想いが湧いた。ステラもジオの手を握り返す。


「ジオ様、私も頑張ります」

「うん、二人で頑張ろう」


ステラがくっと顎を上げて前を見据える。


(弱き者が、弱いがゆえに前を向く。その瞳は、いつも、かくも美しい)