泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


ジオは背筋が凍る無情な声を出した。冷酷な響きを持った音にユア王女の危機感が募った。


「な、なんですって……もし私を殺したら、カルラ国で大爆発が起きるわよ!」


ジオはステラの肩をしっかり支えて振り返り、ユア王女の足掻きに顔をしかめた。


ジオの顔を歪ませて優位をとったと感じたユア王女は、見下げた醜い笑みに満ちる。


どうなろうが人の上に立ちたがる女からは異臭がした。


「ステラが持って行った一本針時計」


ユア王女は下品に口を開けて勝利に酔った高笑いを始めた。


「あれ、スイッチを押すと爆発するの。キドナ国の新発明、時限爆弾よ?

私がステラに持たせてあげたの。素敵な結婚祝いでしょう?」