カルランへの願いを自分でぶっ潰してしまったステラは、また崖っぷちに立たされていた。
夫婦の寝室に帰宅したステラの目には一本針時計の残り時間が迫っている。
もう真上に近い針が、てっぺんを向くまでにジオを暗殺しないと、母は死ぬ。
(もう時間がないどうしようどうしよう)
部屋を歩き回り続けた引きこもりステラは限界を迎え、何かの助けを求めて騎士団の食堂を訪れた。
優しい胸を貸してくれた、義理の母サーシャに会いたくなってしまった。
(でも迷惑かも、お母さんのこと言えるわけでもなく、ジオ様を暗殺するために嫁いできましたなんて言えなくて、何を言えばいいのかわからない。でもちょっとその、会いたいだけで……)



