ステラがその黒玉を摘まんで、全体を観察したがただの石にしか見えない。 (その黒玉はカルラン様の目で、いつも見られてるんじゃ?とか思ったんだけど。俺、この発想……性格悪くない?) ただ人を純粋に信じていたいばかりのジオが、ステラの安全を守るために、初めて「疑う」を覚えた。 (てか人の花嫁に、堂々と『寵愛』とかふざけんなよ……) カルランから傷を刻まれ、神獣への忌々しい嫉妬も刻まれた。恋するジオは着実に人間らしい負の感情を育てていた。