紫色の木々、緑色の木々、両方が混在する森の中を、ステラはジオと手を繋いで歩いた。 ジオは話の続きを絞り出すように話してくれた。 「特にキドナ国では俺らみたいな魔法使いを売りたい奴らが多いみたいで。 ある日、マリが攫われた」 (やっぱり、キドナ国がやったんだと思ってた) ユア王女の側で人間の悪意を数多く見てきたステラは、キドナ国への不信感に溢れていた。ステラが祖国がやったことの罪悪感にジオの手を握ると、ジオが優しく握り返してくれる。 「レオは絶対許さなかった」