引きこもっていたステラはジオが騎士団で何をしているのか知らなかった。 騎士団という名の通り、ジオの仕事は国の防衛。つまり戦闘訓練を日々行っている。 ステラは優しい優しいジオしか知らなかったが、ジオの驚異的な魔法による戦闘能力の高さを目の当たりにしてステラはやっと現実が見えた。 (こんなナイフでジオ様を殺せるわけないってことだったのね……) 遠征に出るなら暗殺の好機と、ステラは懐にナイフを忍ばせていた。 だが、現実を前にしてナイフを木の上から放り投げて、捨てた。