あっという間に身代わり花嫁にされたステラは、夜空を見上げてやっと一つ息を付けた。 バルコニーの端の柵に両手を置くと、すぐに一匹の鳥が飛んで来てステラの肩に乗った。 ステラは肩に赤い小さな鳥が乗ることに驚きもしない。 「こんばんは、カルラ国の鳥さんにも好かれて嬉しい」 ステラは肩に乗った赤い羽根の鳥に頬をすり寄せた。 小さなころから、どこに行っても必ず鳥がステラの肩に乗って来る。何の役に立つわけでもないが、ステラの特技だ。