泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


今にも涙が零れ落ちそうな瞳を耐えて、ステラは食堂を飛び出して行った。


「ステラ?!待って!」

「あ、ジオちょっと待て」


ぴょこぴょこ走って行ったステラをジオが慌てて追いかけようとした。だが、レオナルドの長い腕がジオを捕まえた。


「レオ、何?!急いでんだけど!」

「これ、キドナ国から手紙。ステラに渡してやって」


レオナルドがジオに一枚の手紙を渡す。外からの郵便は数が少ないので、レオナルドの風魔法が仕切っていた。


「あ、ありがとうレオ」

「中見てないけど、良い感じしない。様子見てやれ」