ステラが赤い鳥を指先に乗せて、ふふっとご機嫌に笑った。 母が心配でたまらないステラだが、母の味を思い出すだけでふっと身が緩む。 ステラの背後ではベッドの脇で一本針時計が、時を着実に削っていた。 母親の命を削る音。 ステラはその残酷な音を、引きこもったこの部屋で聞き続けている。