ウルウルな彼女を見て、うっかり可愛いが先に出たことにジオの動悸が激しかった。
「では誓いのキッスして!」
立会人のワクワク指示に、ジオは騒ぎ立てる胸を押さえて式を進行しようとは思う。
耳の下で綺麗に切りそろえた白い髪を小刻みに震わせる子兎のようなステラは、両手の拳を固く握りしめて泣くのをこらえていた。
(すごい怖がってるのわかるから……怖がらせないように)
手の平に爪が食い込むほど握りしめていたか細い手に、ジオがそっと優しく触れる。
「遠いところ来てくれてありがとう、ステラ。俺、嫌なことはしないから」