ユア王女がぷるぷる震えるステラの耳元でふっと息を吹きかけて可笑しそうに笑う。おかしいことなど何もないのに。異常な笑みにステラは震えた。 (この人、本当に人間なの……?どうしてそんなに酷いことが言えるの) だが、ステラを怯えさせる人間の悪意はそんなもので済まなかった。 ユア王女の悪い顔にうっとりしたキドナ国王は、ステラがお茶を置いたテーブルの前の椅子に座り足を組んだ。 「ステラ、お前に命じるのは身代わりの花嫁だけではない」