泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─



いつもの優しい声とは違う、聞いたことがない艶っぽい男の声にステラの耳の奥がざわついた。


ジオは博愛で、今まで誰にも執着なんてしたことがない。自らの欲で人に触れたいだなんて思ったことはなかった。


だけど、ジオの泣き虫な花嫁に触れられると、ジオは彼女に触れてみたくてたまらなくなった。


そのか細い首は、どんな感じかと、知りたかった。積み重なった可愛いが、触りたいに変わる。


「え、私の首ですか?」

「俺も触ってみたい」