泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


ステラの手が首筋に添っている感触を受け手、ジオの腰に慣れないゾクゾクが駆け上がった。


「ステラが俺に触れたいなんて言ってくれたら、俺、仲良くなれたみたいで嬉しい」


ステラの手を掴むジオの力が強くて、手の平が彼の首に添う。初めて触れた彼の首の熱さが手の平に伝わる。


「……ドクドクしてます」

「俺の脈?緊張してるから早いかも」


はにかむジオの優しい笑顔にステラの脈も上がってしまう。

星明かりのベッドで首に触れるなんて、いかがわしくて、恥ずかしかった。耳から心臓が飛び出そうなほど、脈がドクドクするのが聞こえる。


(でももっと、触ってみたいかも)