泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


ジオは夜に起こされた衝撃の理由に、あっと口が開いた。理解が追いつかなかった。


(ステラは俺の首がお好き?)


寝ぼけてましたとか、怖い夢を見てしまって起こそうと思ってとか、良い感じの言い訳はいくらでもあった。


その中で首に触ってみたかったを選んだステラのチョイスは、ジオを惑わすのに絶妙だった。


部屋の真ん中で、ぷるぷる中のステラを横抱きにしたままジオは天井を仰いだ。ジオの花嫁は意味不明だ。


だが、なんか可愛い。