泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─



床にスッ転んで天井向いて寝転んでしまっているステラを、ジオは慌てて横に抱き上げる。


「俺、夜寝てる時に襲われる訓練?みたいなのレオに何回もやられてて」

(王太子って寝こみ襲われる練習が……?)

「本当にごめん。何か用事だった?」

(暗殺しようとしましたなんて言えない。なんて言い訳したら)


軽々と横抱きに抱き上げられたステラは、ジオの腕の中で微かに唇を震わせて目を潤ませた。


ジオは腕の中で小さくなるステラを見下ろして困ってしまう。


(ぷるぷるしてる……涙目可愛い、じゃなくて!俺怖かったよな、どうしよ)