身代わり花嫁でもなく、暗殺任務なんてなければ。こんな形でなければ恋できたのに、なんて、毎日思わされている。 それくらいジオは底抜けに優しくて、すっかりステラの心を奪って離さなかった。 胸で毎日軽快に鳴いてここに恋があるよとお知らせする恋々の音に、ステラは耳を塞ぎ続ける。 あるのに、ないふりをして、 気持ちを何度も何度も封印していた。 (ジオ様、もう眠ったかな?)