キドナ国王の見境ない好色は有名だ。どこに何人子がいようと納得である。 ニヒヒと品の欠片もない笑い方をするキドナ国王に、親であれどもさすがにユア王女は嫌悪が募った。 だが、キドナ国王の言う通り、婚姻を押し付けるにはステラは絶好の相手。 今まで認知されていなかった国王の隠し子だ。 (身代わりにはピッタリね) ユア王女はゲスい父親に感謝して、ステラの前に立ち、威風堂々と命じた。 「ステラ、しがないメイドの貴女を今から私の妹と認めてあげるわ。 だから、カルラ国に嫁ぐのは貴女よ」