泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


口角が自然と上がって、目尻が優しく下がるステラの笑顔に、ジオも嬉しくなって笑い合った。


くだらない魔法は、二人を笑わせてくれた。


階段で二人してクスクス笑っていたところに、角から少年少女二人組の子どもがやってきた。


「あー!ジオ来た!!」

「よっ、勉強したか?」

「したした!」

「ジオあーそぼー!」


ジオの腰に幼い子どもたちが飛びついた。ジオは飛びついてきた二人の子どもの頭を順に撫でる。


「マリ、さっき花冠ありがとう。あれから困ったことない?」