泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


階段を軽く上って行くジオの後ろでぴょこぴょこ歩くステラが問うと、振り返ったジオは大笑いした。


「石刻むのやっぱ大変。言っちゃえば全部無駄!

でも馬鹿みたいに時間かけて遊んでるの良いよね。俺カルラ国のこういう馬鹿っぽいとこ、すごい好きなんだ」


ジオがまた壁に手をかざすと壁が「大好き──!!」と叫んだ。ステラは青い目を白黒させる。


「ハハ!くっだらな!でも俺これ好き!」


祖国が好きだと快活に笑うジオに釣られて、ステラも口元を緩ませてしまった。


(あ、可愛い顔みっけ)