「ステラ、散歩に行こっか?」 「は、はい、ジオ様」 ジオは王太子ながら、メインのお仕事は騎士団で行っている。 昼頃にそれが終わるとステラを毎日遊びに連れて行ってくれていた。 ステラは物置部屋の整理整頓と、磨くところがなくなるまで夫婦の寝室を磨き上げて、ジオの帰りをひたすら部屋で待つ引きこもり生活だ。 町の人たちが優しいのは知っている。 だが、暗殺の役割を背負ったステラは誰に会うのも後ろめたくて、一人でウロウロはできなかった。 「あ、鳥さん、またね」