(またため息。ステラのあの一本針時計って、なんか違和感あるんだよな) 普通に帰宅したジオだったが、ステラは考え事に夢中で背後に立つジオに気づかなかった。 一本針時計を見つめるステラはいつも困り眉だ。 わざわざ祖国から持ってきた数少ない荷物の一つだ。大切なものに違いないというのに、ステラの瞳にはまるで愛しさが映っていない。 (あの時計なんだろう) 「わ!ジオ様!お、おかえりだったのですね」