泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


キドナ国から持ってきた猛毒は底をついて銀の筒は空っぽだ。銀の筒はステラの首から外れて引き出しの奥深くに仕舞われた。


ステラは別の暗殺方法を考えなくてはいけなくなった。


「暗殺なんてしたことないのに、他にどうすればいいの」


大ため息を吐くステラはベッドサイドテーブルに置いた、針が一本の時計を見つめた。


ユア王女に持たされた時限時計だ。