あの時、竜巻が襲う王城の中にいたステラは死を覚悟した。 だが、鳥の仮面の男に一瞬で降伏したキドナ国王の交渉により、婚姻を持って争いは打ち切られた。ステラはテーブルに砂糖やミルクを並べる手を順調に動かした。 (噂では、カルラ国はいらないって言ったのに、キドナ国王が無理やり花嫁を押し付けたって話だけど。 ユア王女様、お可哀想に) ステラが王女の役目に同情しつつも他人事だと立ち去ろうとしたとき、なぜかメイドのステラに国王から声がかかった。 「おい、待てお前。ステラだったな」