死者が蘇ったのを目の当たりにしたかのように口を大きく広げて、涙目のステラは固まった。


「ははっ、ビックリし過ぎで、泣き過ぎ……ステラって泣き虫?」


青い瞳が真っ赤になるまで、ジオを心配して泣いてくれたステラが可愛くてたまらなかった。ジオは涙が残るステラの目尻を親指の腹で撫でた。


「初デートで。俺の花嫁って可愛過ぎなのが、よくわかりました」


くしゃっと顔を崩して照れくさそうに笑って、敬語で誤魔化したジオに、ステラの胸が恋々に奪われるのは自然の摂理だった。


「心配して泣いてくれて、ありがとう。実は心配されたのすごい嬉しい」

(暗殺したら、お礼を言われてしまった?!)


藍緑色の湖の岸辺ですっかり薄紅色の頬になった二人は、ほてほてしながら帰路についた。