ジオが昼食を片づけている間にステラは水筒を手に取る好機に恵まれてしまった。


銀の筒に入れて持ち歩いている猛毒を、水に入れるには絶好の機会だ。ジオは向こうを向いていて気づかないはず。


(こんなに良くしてもらってるのに……こんなに優しい人なのに)


ステラは水筒の蓋を開けて、首から下げた銀の筒を震える手で握った。


(好きになっちゃったのに……)