お兄ちゃんにはバレたけど、黙ってくれているみたいだし、見にきても会えるかどうか……


うーん……



「僕の事を話してないならいいよ」



「黙って帰るかも……基本うちはお兄ちゃん中心だから」


「わかった」


りっくんは笑っていた。


「りっくん、もう一回ぎゅーってして」


「うん、おいで」


愛菜は理久斗に抱きついた。


「明日、頑張ろうな」


「うん!」


家まで送ると言ったけどここでいい、りっくんも早く帰らなきゃだからと公園で別れた。






理久斗は家に帰ると明日の昼の地元番組をタイマー予約した。



夕食の時にはインタビュー受けてさと家族に話す。


「由依も部活だから後で見るから消さないでね」


「もちろん」


「お兄ちゃんの彼女、めっちゃ美人さんなんだよ~」




「昨日だったかな、久しぶりに咲優ちゃんのお母さんと偶然会ったのよ」


母さんが話し始めた。


「うん」


「高校を卒業したら家を出るそうよ」


「へぇ、でも昔から自立したいとは言ってた、バイトでお金貯めるとか言って」


「それでね、理久斗と別れた事を知らなかった」




「え?一年以上も前なのに?」


「そうなの」


「何も親と話さないんだな」


「お金がいいから夜勤を優先してるって、すれ違ってるみたいね」



「仕方ないよ、それぞれ家庭環境は違うんだし」


父さんの一言で話は終わった。理久斗は頷いた。