最凶婚 ~災禍の女王と怯まぬ花婿(プロット)

ファンタジー

A・とわ/著
最凶婚 ~災禍の女王と怯まぬ花婿(プロット)
作品番号
1705740
最終更新
2023/08/31
総文字数
1,524
ページ数
2ページ
ステータス
完結
PV数
19
いいね数
0
 ヴィチェランテ王国の女王クレメンティーナは焦っていた。

 二十四歳の誕生日を迎えても、伴侶が決まらないのだ。ヴィチェランテは代々強い魔力を持つ女王が治めており、国の安寧のため、クレメンティーナもまた次の王女を生まなければならない。独り身では魔力も弱まってしまうと言われ、常に身につけている魔石も輝きを失い始めていた。

 国は豊かで、美貌にも恵まれているのに、結婚できない理由はただひとつ。婚約がととのうたびに、なぜか相手が不幸に襲われるからだ。いつの間にか『災禍の女王』と呼ばれるようになり、ついに九回目の婚約が破談になった時、思いがけない相手が手を挙げた。

 子どものころから仕えてくれている従者のロレンツォ――その身分は正式には王子だが、属国の出身で、年齢も三つ下だ。
 彼は自由奔放で身なりにかまわず、まったく家臣らしくない。さらに護衛も兼ねているのに、武術でも剣術でも、勝つのはいつもクレメンティ―ナだ。しかし同時に誰よりも忠実で心優しく、信頼できる相手だった。

 かくして仮の婚約者が決まったが、現れたロレンツォを見て、クレメンティ―ナは度肝を抜かれる。正装した彼は、驚くほど凛々しい美青年だったのだ。

 その性格まで変わってしまったのか、いつの間にか彼に主導権を奪われ、気づけば純潔さえ危うい状況に陥ってしまった。しかも婚約して以来、ロレンツォには不運が重なるが、本人は臆することなく距離をつめてくる。
 ついには純潔をかけて勝負することになったが、あろうことか勝者はロレンツォで、クレメンティ―ナは困惑しながらも肌を合わせる。

 以来ますます彼に惹かれていくが、そんな自分に納得できずにいたところ、お忍びの巡行中に盗賊に襲われてしまう。ところが凶刃に倒れたのは、クレメンティ―ナをかばったロレンツォだった。

 失いそうになって、初めて彼への愛を自覚し、想いをうち明けるクレメンティ―ナ。
 すると瀕死のロレンツォはたちまち生気を取り戻し、クレメンティ―ナに永遠の愛を誓う。
 その瞬間、魔石が輝きを取り戻し、二人は光に包まれる。

 ヴィチェランテの女王を継ぐ者は結ばれるべき男性に出会った時、無意識に自分と相手を守る強固な包囲網を敷く。これまでの数々の不幸も、魔力が弱ったのもそのせいだったのだ。

 クレメンティ―ナは揺るがぬ魔力を得て、晴れてロレンツォと結ばれる。

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