熱いランタンの光と。

 訳もない、涙が一筋頬を伝ったのがわかる。

 はぁ、と、また息をつく。

 ほら、また。

 目を瞑り、ゆっくり息をする。冷たい空気が肺を冷やす。吐いた息が窓を濡らす。

 ずっと前から長いこと独りでいるくせに、今日は寂しい。

 これまで寂しいなんて思ったこともなかった。


 こんな夜は初めてだ。


 僕は元気、普通。健康なのに学校をずる休みする、馬鹿なやつ。

 本当に、馬鹿だなぁ。

 軽く背伸びをして、それから腹が減ってみかんを一つ食べた。その後ベッドに潜った。

 寝るのが好きだ。

 何もかも忘れていられるから。何も考えない、ただ自分の世界にいられるから。

 だけど僕は寝られなかった。朝焼けが街を照らす時間になる。それでも眠れない。さらに時は進む。

 僕なんかおいてけぼりで。

 夕日が沈む。僕は、まだ寝ていない。何も考えていない。はず。でも寝ることはできない。

 …寝ることも、馬鹿馬鹿しい。

 ただの現実逃避。