「…叶夢さん、私、さっき。おんなじこと、考えてたみたい、で」


おんなじ、こと…?


勢いよく、抱きついたから、ふたりで倒れこんだベッドのうえ、で。


「『病めるときも、健やかなるときも』って、ぽん、って、頭の中に浮かんで…」



「……、」


黙ってしまった、叶夢さん。


でも、見る間にその顔には笑顔が広がってゆく。


この笑顔が、私をずっと、見ていてくれるのだ。


これから先、ずっと、ずっと。


この目も、くちびるも、頬も、気持ちも、想いも。


ぜんぶ、ぜんふ。


私の、もの。


「ひとたらしどうしの恋、ちゃんと着地しましたね」



「ひとたらしどうしも、いいもんだね」


柚ちゃんといっしょなら、ね。


あなたといっしょなら、どんなことでも、越えてみせる。


永遠に。




      『ひとたらしどうし』





ーEndー