差し出されたクッキーを礼を言って受け取りながら、何かを思い出したように、チェスは自分のポケットを探る。 そこから出たのは一本の万年筆。 「これ、アンティークでしょ?」 「あぁ、…しかもこれは……よく見つけたな、チェス。」 「いいもの?」 「あぁ。…何処で拾ってきた?」 「火災現場」 溶けた様子もない重厚な作りの万年筆を、リオンは部屋全体を支配しているオレンジ色の電灯に掲げてその目を一層鋭くさせて眺めた。 *