「それが出来たら、こんな世界は創ってないわ。私の力はこういった居空間とか、異界の人間…例えばこの二人みたいな死神にしか使えないのよ。神の仕事は全てを見届けること。長い長い、この地球の誕生の頃から、終わりを告げるときまでを見届けること、手出しは出来ないし許されてもない」
「死神の俺たちは死へと操ることは出来るけど、それだけ。人間を改心させることは、出来ない」
「何故かわかるか?」
へ?と、クリスやフィンの説明に聞き入っていたチェスは不意に問いかけられたリオンからの質問を、思わず間抜けた声で返した。
その声でわからないと判断したのか、元々答えを期待していなかったのか、リオンはその間抜けた声を聞くとその口をまた開いた。
「人間の、汚い心を綺麗にさせる術は、同じ人間にしか出来ないことだからだ。可能性として、低くはあるがな」
「そ。魔法ではどうにもならんこともあるんだよ」
ヘラヘラと悪びれなくフィンは付け足す。
そうなんだ、とチェスは一人納得する。
そんな余談を交えつつも、クリスの当の質問には流石にフィンも口を噤む。


