ワケアリ(オカルトファンタジー)




クリスの言葉の中には『殆どまともに仕事はしないけど』というニュアンスが含まれている。


本当のことだと然して気にもしないリオンと、不愉快そうなフィンをそのままに、クリスは本題に入る。



「最近、空にのぼって行く魂が少ないのよ。ずっと此処で見てるんだけど、この世に留まるか、悪魔が持っていくの」



視線を向けられたクリスは、困ったように溜息をつきながらそんなことを述べた。


本来魂とは、死んだあと直ぐに身体から抜ける。


その後いくつかパターンがあり、特に何の問題も無い魂は次の生まれ変わりを待つために空へと飛んでいく。


そこで暫くの順番待ちの後、生まれ変わり、またこの世に生を受ける。


また、未練の無い罪深い魂は悪魔が持って帰り数百年の時を経て改心させる仕組みになっている。


そして未練がある場合。


未練があるとその魂は死者の死んだ場所、あるいは未練の残る場所に地縛霊として、留まる。


この場合、その未練が解消されれば次の生まれ変わりの為に空へと飛んでいく。


解消されなければずっとこの世で彷徨い続けるのだ。


解消されやすい未練の場合、この未練の解消をするのは悪魔の役目。


解消できない未練、例えば恨み辛みを抱いた地縛霊や、重罪の魂は死神が引き取ることになっている。


もっとも、それは定められている規則であり、ちゃんとその仕事をするかはまた別の話だが。


ちなみに死神は、未練の無い罪深い魂か、解消できない未練のある重罪の魂が突然変異によって作られる仕組みになっている。


この死神の誕生は未だに謎に包まれている。