そもそも、二人の使い魔の誘拐と、神の名前の由来など全く関わりの無い話なのだ。
無駄な時間を過ごすのが嫌いなリオンはそんな話をする事も好ましくないのだろう。
ただ、そこはリオンのさり気無いやさしさだろう、好奇心旺盛で知りたがりのチェスの為に多少の時間をとってやったのだ。
が、その話が終わればもう他に雑談することもない。
リオンはズカズカと本題に入る。
「使い魔を盗む理由があるならさっさと言え。そしてさっさと使い魔を返せ」
「使い魔はそこに。結界で出られなくしただけだから、ちゃんと生きてるわよ。こうでもしないと死神代表の二人は集まらないでしょう?」
リオンはフィンが嫌いだし、と付け足しながら、クリスは境内のほうを指差した。
その方角から、この空間から出ようと何度も試みては失敗し体力が消耗したのだろう、疲れきったように主人の元へと歩み寄ってくるカラス二匹と白いペルシャ猫一匹。
フィンはその猫を抱き上げて、そのふわふわとした毛を撫でてやった。
リオンは何もせず、足元にぴたりと寄り添う二匹のカラスを眺め、視線をクリスに戻した。
「死神代表なんてなった覚えはないぞ」
「あら、みんなが認めてるわよ?あの二人こそ、代表に相応しいと。…まぁ、魔力だけがね」
「一言多いぞ」


