「その後ろの子は呪われた可哀想な人間(コ)、エルヴィスね……いや、今はチェスだったっけ」
「えっ…ソレ、どうして…」
「『神』だから。初めましてチェス、あたしはクリス。sacrifice(サクリファイス)からとって付けた名前」
「またの名をカオス」
横から名前をつけるのが好きなフィンが自分でつけたのだろう、あだ名を鼻で笑いながら付け足す。
sacrificeとは犠牲、と言う意味を持つ。
神の名前にしてはあまりにもそぐわぬ言葉ではないかと、チェスは思ったが、流石に二人の死神と神の不穏な空気の中で気軽に発言できるほどの度胸は百年ほど生きては来たが、未だに無い。
チェスを置いて会話は進む。
「フィンは本当に他人に名前をつけるのが好きね」
「間違っちゃいないだろ?」
「確かに、でも品性に欠けるわ」
一番話しやすいリオンといえば不愉快そうなまま腕を組んで二人の話を聞き流している。
フィンとの嫌味の言い合いも程ほどに、クリスはチェスへと目を向けてチェスの、問いかけてはいない聞きたかった質問に答えた。


