神様と一言聞いて、人間が想像する神様の像と言うものは、大仏や銅像になって神社や寺で飾られている仏教じみたものか、白い髪と白いひげをズルズルと伸ばし、白い衣装を身に纏った老人か……とにかく人それぞれだろう。
三人は対峙している、神様と呼ばれる存在と。
三人は対峙している、神様と呼ぶはずの存在と。
「え」
最初に口を開いたのはチェスで、たったそれだけの言葉だった。
その声に、屋根の上で背を向けていた神様らしき人は、振り返って三人をゆっくりと眺めるとニヤリと赤いルージュを引いた唇の端を引き上げて、笑った。
「あぁ、来たね」
神社の鳥居を潜ってきたチェス達は、別世界にいた。
それはリオンとフィンが鳥居に掛けられた結界を解いて中に入ってきた所為でもある。
その空間は一見すると普通の神社で、結界を解いて入った時と、解かずに入った時と、まるで区別が付かないほど同じ、何処にでもあるような神社だった。
ただ、音がなかった。


