「神社や寺、教会なんかにはいない」
「山にも川にも、本当は居ないんだよ」
と遠まわしなヒントを教えてくれるだけだった。
かくしてそんな三人は目的地に向かって歩き続けた。
その間、何故か二人は昨日と打って変わって、言い争いなどをする素振りもない。
やれば出来るじゃないかとチェスは思ったが、ただ単に互いに他の標的が見つかったからであり、しかもそれがお互いに同じ標的だったと言うだけに過ぎない。
二人が心配で付いてきたチェスだったが、これならば付いてこなくてもよかったか、と一緒に来たことを後悔した。
が、いつもとは違ったスリルが味わえるのである。
二人が仲がよかったとしても、やっぱりチェスは付いてきていただろう。
二人の足が同時に止まり、チェスはそんな思考を強制的に途切れさせられ、立ち止まった二人と、その二人の目の前に立ちふさがる鳥居を見上げた。
「…って、神社じゃん」
「正式的には神社ではなく、鳥居の中にいる。前はトンネルの中に居た」
「神はね、空間を区切ったその中にいるんだ。そこに自分で異世界を作って、誰も入れないようにしてね。だからこの中は神社であって、神社じゃないんだ」
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