ワケアリ(オカルトファンタジー)



室内で稲妻でも落ちたかのように光が飛び散り、物凄い破壊音が響いた。


突然の光に叫び声さえ上げる暇なく、ただチェスは両腕で目を覆い隠し、光が過ぎるのを待つしか術は無かった。


目蓋の裏の、赤を暫くの残像として残し、段々と暗さを取り戻し、静けさが帰って来た頃、後に残ったのは穴の開いた調度品と、店の壁。


珈琲のビンは、何処にも見当たらなかった。


咄嗟に避けたお陰で手が消し飛ぶことは無かったフィンはニヤリと笑い、その笑顔で、チェスはリオンが珈琲嫌いだという事を知って仕向けたのだと、漸く気づいた。



「ちょっとリオンー、いくらなんでもやりすぎだよ。壁に穴あいちゃってるしせっかくの商品が…」



「コイツが直すからいい」



そういって、フィンを指差すリオン。


勿論フィンからは「何で俺が」と不満の声が上がったが、リオンは聞く耳持たず問答無用で補修させた。


そしてフィンが不慣れな手つきで店の壁と調度品の補修作業をし、直ったところでリオンの機嫌を損ねて先ほどの痴話喧嘩へと結びつき、チェスが珈琲を買いに行っている間にまた店に穴が開くのだが…。










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