フィンが言うには、ある日使い魔とこの近くの町を歩いていたとき、少し目を離した隙に使い魔がいなくなってしまったのだそう。
辺りをくまなく探したが、姿は見当たらず、使い魔の気配でさえも感じられなくなったのだそうだ。
試しにリオンが(嫌々ながらも)フィンの使い魔の気配を探ってはみたのだが、どこにも感じられなかった。
とはいえ、何処までも気配が探れるわけではないので、半径1・2kmが限度だが。
「てなわけで、見つかるまで此処に泊めてくれよ」
「帰れ」
「コレやるから」
机の上に置かれたのは少し大きめのビン。
その中には珈琲の豆がぎっしりと詰め込まれていた。
挽き立てが一番美味いんだとか言いながら、フィンは得意げにこの豆がどれ程高級かについて弁論している。
チェスはそれを見ながら、リオンは珈琲が嫌いなのを思い出してハラハラとしながら見守った。
瞬間。


