気付けば、自分は生きていた。
見える人には見える、見えない人には見えない、そんな存在になって。
触れた首はやはり繋がっていて、だけどどこか、自分の体温は冷たかった。
死んだ人間の声が聞こえるようになって、元からだが人間とは殆ど話をしなくなった頃、一人の死神と出会った。
その男はキリルが死ぬ間際に現れた、真っ白い服を着た男だった。
白いシャツに、白いズボン、白いベルト、白いネクタイ、白いブーツにズルズルと長い白の外套(マント)、そして白く襟足ほどまでしか伸ばしていない、髪。
髪は白いが、その顔はキリルと大差ないほど整った顔立ちで、20代に見えるほど若かったがその男は死神歴500年だと言った。
長いのか短いのかは、キリルにはわからない。
そしてその男は、フィンと名乗った。「終わりを司るからな」と笑いながら。


