ワケアリ(オカルトファンタジー)




まるで世界が滅亡した中、自分ひとりだけ生き延びてしまったような、世界にたった一人だけ取り残されてしまったような、そんな感覚。


私は走った。


学校でもこんなに本気で走った事なんてない。


本気すぎて、全然脚が思うように動かない。


前に進んでいる感覚がしない。


追いつかれてしまいそうな、感覚が背後からやって来る。


空気が上手く吸えない。


呼吸が出来ない。


身体が硬直したように走れない。


景色は変わっているんだろうか。


ここは何処だろう。


鉈が重たい。


振り返る。そこは街灯が照らす住宅街の道、アスファルト。



「は、……はぁ…」



立ち止まって、肩で呼吸をする。


冷たい風が肺に送り込まれて、少しだけ身体の力が抜けた。