切っても猫が死なない臓器はどこか。
羽根をもがれた鳥は、飛べなくなった自分を知り何をするか。
舌を抜かれた犬は、なんと鳴くのか。
そんな研究としての、延長に過ぎなかった。
アリバイも、死体の隠し場所も、犯行時刻も、かなりの計算を組み立てて作られた誰にもばれない、犯行だった。
その所為で皆は見かけていた動物たちがいなくなっても大して気にする事も無く、すごしていた。
しかし一人だけ気付いたのである、餌付けしていた猫が日に日にいなくなる事に。
その人物は、実の姉だった。
彼女は大人に無茶をさせられているキリルを誰よりも心配し、それと同時にキリルを本当の意味で大切にしてくれる唯一の人間だった。
そんな彼女はキリルの残酷な趣味に気付き、怒り、泣き、嗜めた。
しかしキリルはそれを悪いこととは思わず、研究を否定されたことを悲しみ、だが、自分にそんな思いやりを持つ姉に興味を持った。
それは、キリルの歪な愛情でもあった。
自分を人間として接してくれる姉を表情や言葉にはしないものの、キリルはとても慕っていたのである。
だから猫と同じく、姉を殺した。


