『ウソツキ』
そういって、人形は飛び掛ってきた。
果物ナイフを掲げて。
「きゃあああああっ!!!」
私は咄嗟に部屋を出てドアを閉める。
ガチャガチャとドアノブが激しく回され、幾度か体当たりをしているのだろう、バン!バン!と扉から振動が伝わってくる。
逃げなきゃ、どこかへ。
何処へ逃げれば安全なのか、わからずに、私は考えあぐねる。
足が震えて思うように動かない。
ドアへの体当たりが止んだのか、振動が止まった。
瞬間、違う振動が伝わり、薄いドアには私の首へと向けて突き刺された果物ナイフが簡単に貫通した。


