どこか、見た瞬間から気味の悪い感覚が人形にはあった。
父からのプレゼントがもらえるとは思っていなかったので、それは嬉しかった。
しかしあの人形はどこか得体の知れない不気味さを漂わせていた。
大人にはわからないのだろうか、あの気味の悪さ。
どこか、人形とは別の、人間じみた、…それでも人間の持っている何かを宿命的に欠如しているような、そんな雰囲気だった。
人形ではない。人間でもない。
その中途半端さが私には恐怖として心に降り積もって、受け取ることが出来なかった。
父はそんな私を少し寂しそうな目で見ていたっけ。
そんなことを思い返しながら、部屋へとたどり着く。中ではまだ数を数える声が聞こえる。
早くしなければ十分経ってしまう。そうすればコイツは私の心臓目掛けてあのナイフを掲げるだろう。


